プログラミングとデザイン、スタートアップの話

プログラミングやデザイン、スタートアップ関連についての雑記

大人が数学脳を楽しく鍛えられる3冊のおもしろい本

時々数学や物理、科学系の本を脳の体操やリフレッシュに読みたくなる時がある。普段あまり触れない知識を脳に取り込むことはいいことだ。

日常的にあまり使わないエリアの脳を刺激することができ、定期的に筆者はこういった本を読むようにしている。

今回は文系出身の人間でも数学脳を刺激できるような本を紹介する。

数学を楽しく勉強できるおすすめの3冊


数学ガール


二人の女子高校生と一人の男子高校生の高校生活を描くストーリーの中に数学がうまく織り交ぜられている人気作。二人の女子高生のタイプが異なり、一人は数学のIQが高い女の子で、もう一人は数学が苦手な女の子。

数学が得意な女の子の方からは難易度の高い数学の問題が出題され、もう一方の女の子の話のときにはとても基礎的ながらおとなになってから読むと「あ、そうだったんだ」となるような問題が出てくる。

この二人の女子高生の話が交互に入れ替わり、色々な内容の数学に触れることができる。数学の難易度は中学生〜高校3年生の理系の内容までと様々。理系出身でも忘れかけている内容に触れる機会になるし、文系出身でも本を読みながら頭の体操ができるような構成になっている。

一見無味乾燥に思える数学の世界が、とても豊かで色彩感あふれる世界に感じられてくる。

数学といえば、緻密に厳密に一切の間違えが許されない、それこそ左脳の論理的世界で構成されるものだと思えるけれど、この本ではそうじゃない。数式を展開して、世界が広がっていくさまが、とってもいきいきと登場人物の仕草や言葉や表情で表されている。もう、なんか右脳がうずく感じ。

この本読むと、理屈じゃなく感覚的にダイレクトに「数学がおもしろい」と思える。

上記の作品は数学全般を扱い、この本として何らかの数学のテーマに特化した内容ではないが、人気作品として2冊目以降はテーマごとに特化したシリーズとなっている。


博士の愛した数式


こちらは『数学ガール』よりももっと気楽に読める小説。数学ガールで出てくる数学の割合と比較すると、1/10〜1/20くらいだ。

数学を愛する博士が主人公のストーリーで、小説を読み進めていると自然と博士からその知識を教えてもらっている感覚になる。小説としての質が高く、こちらも人気作品となっている。

数学ガールでは数学の問題が出題され、それを解く機会があるが、こちらの『博士の愛した数式』ではそういった形式ではなく、あくまで小説の中に数学の知識がちらほら盛り込まれている。この本を読むと、数学に対する印象がきっと変わるだろう。

今まで無機質なものに見えていた数が、こんなにも愛嬌のある生き物みたいに振る舞っていたことを知って、数に対する見方が変わりました。 数に魅了され、数を愛して止まない博士が、ひとたび数を表現すると、数が人格を持ち出してしまうのです。

小説とは一見対極しそうな数を、物語の中にドラマティックに融合させて、物語として感動させるだけに留まらず、数式に対する印象をガラッと変えてしまうという点でも画期的な本だと思いました。


フェルマーの最終定理


最後に紹介するのは、こちらのベストセラー。内容はかなり濃密で、ボリュームも多い。理系の人たちに特に人気となっている書籍だ。とはいえ、すべての内容が数学オタクの人たちじゃないと読解不可能になるような書き方はされておらず、文系出身の人でも理解できるような説明を施してくれている。ただし、ところどころ難しい内容も見受けられるため、文系出身の人は多少覚悟を持ってじっくり読みたい本だ。

この本はノンフィクション作品で、フェルマーの最終定理にチャレンジした数学者たちの物語を綴っている。その内容があまりにもドラマチックで、ノンフィクションであることに感動を覚える読者も多い。序盤は数学ヒストリーの紹介から、徐々に彼らのチャレンジについてのストーリーへとシフトしていく。

とにかく面白いの一言!高校時代、数学ができず進級すら危ぶまれた私が一晩で読み上げてしまいました。数学者の情熱に刺激され、なぜか高校時代の教科書(・・・と言っても解答つきの虎の巻の方だけど)を引っ張りだし、解き始めて周囲を驚かすことに(笑)それでも興奮が冷めやまず、高校時の数学の先生(担任でもあった)にこの本を薦めたところ、すでに担任クラスの生徒に読ませており、なんと読後はテストの平均点が著しくアップしたとのこと!素晴らしい!!

紹介した書籍一覧

これらの本に共通して言えるのは、「読書後には、数学への親近感や見方が変わる」ということだ。数学が好きな人はもっと好きになり、苦手だった人は数学に親しみを持てるように成る。